談論風発講座 行財政改革 経済界講師講話を開催しました

講話内容
◆大阪の現状
現在の大阪は、残念ながらすごくイメージが悪い。ここ1~2年は橋下知事の話題性もあるが、やはり大阪全体に対するイメージというのは「粉物」「お笑い」で、「怖くて汚い」と思われている。バブル崩壊と共に、大阪は社会保障費の増大と税収の落ち込みという、日本の都市の課題を全部抱え込んだ課題先進都市になっている。そういう意味で、大阪の復興なしには日本の復興はないと思う。
◆非効率な行政事業
大阪市は、面積では府の12%しかないが、地下鉄だけで1,500億円の事業を行っており、これは私鉄の近鉄と同じ規模である。しかしお客さまサービスの面では、東京に比べて乗換の接続が悪い、運賃も高いなど、都市の競争力を落とす1つの要因になっている。キロ当たりの従業員数も民間で25.4人のところ、大阪市営地下鉄では44.6人、平均給与は民間の627万円に対して754万円など、効率の悪い運営となっている。
◆大阪の改革案
大阪維新の会では、このようなところを民営化するのではないか。「大阪都構想」を掲げているが、これは府内で一元化した基礎自治体を作り、その周りにこの民営化された地下鉄などの事業を置くというものではないかと思う。
さらに、大きな統治機構にふさわしい人事制度が必要ということで、公務員基本条例案が話題になっている。相対評価を取り入れ、最下位5%の人は分限解雇の対象にするという強烈なものである。さらに教育基本条例案も検討されており、教育委員会に対して政治が適切な力を持つようにしようとしている。大阪維新の会では、このような強烈なメッセージを掲げてこの秋の選挙に臨むのであろうが、どれくらい府民、市民が判断できるのか不安が残る。大阪の復興がなければ日本の復興はないし、大阪が復興すれば日本は変わると信じている。皆さんにもいろいろと考えてもらいたい。