人間力養成講座 第1回講義を開催しました
開催日:2005年4月02日
場所:関西経済同友会会議室(中之島センタービル28階)
テーマ:「松下電器の理念と戦略」
講師:松下 正幸 松下電器産業 副会長
「松下電器の理念と戦略」
◆「変えてはいけないもの」と「変えるべきもの」
当社の経営理念は、創業者である松下幸之助の事業哲学から生まれた。それは、一言でいうと「事業を通じて人々の暮らしを豊かにし、社会の発展に貢献する」ということである。そして、この経営理念は、「社会の公器」という考え方や「お客様第一」「日に新た」という考え方とつながりあって、今日まで受け継がれている。
当社は、この経営理念を不変の「使命」と考えて、綱領で明文化している。一方、さまざまな方針や計画、組織や仕組みなどは、すべてこの「使命」を果たすための「方策」にすぎず、「方策」は毎日見直し、そのときどきの環境の変化に柔軟に対応させていかねばならない。
◆「21世紀型製造業」への変革 変化の速い21世紀には、鉛ボールのような重くて遅い経営から、お客様との接点にすべての資産を集中させ、それ以外の部分はできるだけ軽くし、お客様の要求に素早くお答えできる、サッカーボールのような軽くて速い経営へとパラダイムを転換していくことが必要である。
当社は、2001年から2003年には「破壊」と「創造」を旗印に数々の構造改革や成長戦略に取り組んだ。2004年からは3ヵ年の中期計画を策定し、持続可能な成長を目指している。さらに、2010年にはグローバルレベルで見て名実ともに「お客様価値創造企業」と認めていただけるような優良企業へと飛躍していきたい。
◆最後に 日本は、新しいテクノロジーと若い力で「技術立国」として復活しなければならない。 21世紀は皆さんの時代である。是非、ワクワクする社会、ワクワクする日本を創っていただきたい。