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人間力養成講座 第3回講義を開催しました

開催日:2004年7月02日

場所:関西経済同友会 会議室(中之島センタービル 28階)

テーマ:「私の経営~改革と変化対応~」

講師:奥田 務 (株式会社 大丸 会長兼CEO)

講話内容

◆大丸の歴史
大丸は、今から287年前の享保2年(1717年)、京都の伏見で呉服屋として創業, 「先義後利」という革新的経営理念を掲げ、業容を急激に拡大した。その後、幾度か大きな危機が訪れたが、何とか乗り越えてきた。こうした大丸の歴史を通じて言えることは、「危機というのは心におごりが生じたとき、時代・社会の変化への対応を怠った時、しかも自己革新が途絶えたときに必ず起こる」ということである。

◆負の遺産の一掃と百貨店再生に向けた取り組み
社長就任当時(平成9年)は平成の大不況の真只中であり、百貨店業界も大丸も危機的状況にあった。社長の仕事は「会社の再建」と覚悟を決め、短期間のうちに過去の負の遺産である不採算店舗・事業の整理および850人の人員削減を行った。
百貨店再生に向けた取り組みとして、最初に、「高質」、「新鮮」、「ホスピタリティ」の3つを企業コンセプトとして、「大丸が目指す百貨店像とはいったい何か」ということを明確にした。具体的には、お客様の視点に立った営業活動を徹底して実践しようという「カスタマーズビュー運動」、アートのある生活をお客様に提供する「大丸ミュージアム」などである。次に、”最大のお客様満足を最小のコストで実現しよう”というキャッチフレーズの下、業務運営の仕組みから従業員の意識や働き方を改革する経営体質の改革に取り組んだ。

◆おわりに
大丸の企業改革は緒についたばかりである。危機というものは、心におごりが生じる、安心が生じる、危機感がない時に必ず起こってくる。いかに従業員の気がゆるまないか、一歩でも高い挑戦をしていってくれるかが一番大切。経営者の役割で最も重要なことのひとつは会社全体に健全な危機意識を植え付け、しかも、マーケットやお客様の変化に即応し続けることである。

以上

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