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人間力養成講座 第3回講義を開催しました

開催日:2005年6月14日

場所:関西経済同友会会議室(中之島センタービル28階)

テーマ:「大丸の変化対応経営」

講師:奥田 務 大丸会長

講話内容

◆大丸の歴史
大丸は今から288年前の享保2年(1717年)、京都の伏見で呉服屋として創業、現金掛値なしや本社集中仕入れ・直接仕入れの商売、あるいは、「先義後利」という理念を掲げ、それを経営の中核に据えるなど革新的な経営を行い、業容を急速に拡大していった。その後、何度かの危機に見舞われるが、その度に革新的な経営で乗りきってきた。このように、大丸の歴史は改革と革新の歴史であり、私は「心におごりが生じた時、(そのおごりが)時代・社会の変化への対応の遅れに繋がり、その結果、自己革新が途絶える。そういった時に必ず経営の危機が起こる」と感じている。

◆百貨店再生に向けた取り組み
私が社長就任した当時(平成9年)は平成大不況の真只中であり、百貨店業界も大丸も最悪の状況にあった。社長の仕事は「会社の再建」と決意し、まず、短期間のうちに過去の負の遺産である不採算店舗・事業の整理および850人の人員削減を一気に行った。
次に、攻めの取り組みとして、高質・新鮮・ホスピタリティの3つをコンセプトとして、大丸が目指す百貨店像というものを社内外に明示した。また、科学的マネジメントによる、生産性の高い百貨店オペレーションの実現を目指し、業務運営の仕組みから従業員の意識や働き方を抜本的に改革した。分かりやすく言えば「最大のお客様のご満足を最小のコストで実現するしくみを考えよう」ということである。

◆おわりに
大丸は、幸いにも7年連続で過去最高益を更新しているが、これは、社員に「夢を常に持ち続けて欲しい」と言ってきた成果だと思う。私は、企業風土の変革が経営にとって最も大きな役割だと思っている。

以上

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