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人間力養成講座 第3回講義を開催しました

開催日:2007年7月05日

場所:関西経済同友会会議室(中之島センタービル28階)

テーマ:「私の経営哲学」

講師:アートコーポレーション 寺田千代乃 社長

講話内容

■会社発展の起爆剤
 当社は、今年で創業31年目を迎えるが、会社発展の起爆剤になったものが3つある。①アート引越センターというカタカナ社名、②「0123」という共通電話番号、③業界初のテレビ等マス媒体利用、である。TVCMを出す前年の売上目標は3億円だったが、出した年の売上は11億円に達した。
 また、他社との違いを訴求するため、様々なメニューを考えた。引越サービスは無形なので、できるだけイメージしてもらえるよう、「奥様荷造りご無用」からスタートし、「走る殺虫サービス」なども考えた。他にもレディースパックやシニアパックなど、絶え間なく付加価値をお客様に提案し続けてきた。

■第2の創業期
 一番大変だったのは92、93年で、初めて売上が大きく未達成に終わった。92年は、280億円の目標に対して256億円。93年も、決算を待たずして大きな売上未達が見えた。多くの役員からは、「目標を下げて再スタートしましょう。3期連続で未達だと、従業員は完全に自信を無くしてしまう」という声が聞かれた。しかし私は、その次の年は創業から20年でもあり、どうしても下げたくなかった。支店長を集めて次の目標を決めるときに、「300億円を目指したい」と言った。この日ばかりは、彼ら全員が「やりましょう」と約束してくれた。皆が気持ちを一つにして本気になり、300億円の目標に挑戦するぞ、というムードを絶対に作る必要があった。
 この年の売上は306億円であった。嬉しかったが、一番の成果は、つい1年前まではできない理由を並べていた彼らが、本気になればできるというのを改めて確認してくれたことだ。

■人の成長がアートを支える
 企業の規模は経営者の器より大きくはならない。と同時に、従業員全員が本気で自分たちを高めてくれないと競争力がつかない。行き着くところは人。十数年間、右肩上がりの成長を続けているということは、どこかでタガが緩むのではないか。私自身は、もう一度改革だと思っている。
 従業員も、会社の成長、社会からの評価を自覚してくれている。私は、皆の仕事が、結果としてその評価につながっているということを、折に触れて言葉にして伝えている。人がこの会社を支える。人の成長がアートの成長なのである。

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