過去の活動

人間力養成講座 第4回講義を開催しました

開催日:2006年7月24日

場所:関西経済同友会会議室(中之島センタービル28階)

テーマ:「組織を率いるリーダーシップ ~リーダーの役割と資質~」

講師:井上 礼之 ダイキン工業 会長兼CEO

講話内容

◆求められるリーダー像の変化
 リーダーに求められる資質はそれぞれの社会の文化的な特徴、時代背景等により異なり、普遍的なものは存在しない。歴史的に、安定性を第一に求められるコメ社会であった日本では調整型・現状維持型のリーダーが多かった。しかし、昨今の変化の激しい国際競争社会においては、それでは対応できない。変化を拒む会社組織は必ず衰退していく。激しい変化の時代に求められるリーダーの役割・資質とは何かについて考えを述べたい。

◆今後のリーダーに求められる役割と資質
(1)ビジョンを提示する
 時代の流れを読み、洞察力・先見性を働かせて組織の行き先を示すこと。夢を語るストーリー性が必要。
(2)戦略を立てる
 戦略を考える上で重要なことは、「現場主義の徹底」、「選択と集中」、「走りながら戦略を練り直す柔軟性」である。また経営者は、現場感覚に裏打ちされた自分の直感・感性を信じ、そこに賭ける勇気を持つべき。
(3)人を見る目と適材適所の組織づくり
 戦略を実行するのは人であるから、人を選ぶというのは非常に重要。したがってリーダーには人を見る目が求められる。可能性を信じて仕事を任せるという観点に立ち、欠点探しではなく人を肯定的に見つめてあげること。
(4)独自の企業文化をつくる
 独自の企業文化をつくり、伝承していくことが必要。当社が企業文化について大事にしていることは、多様性を認める(出る杭を認める)ことと、フェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーションの二つ。
(5)率先垂範し、周囲を動かす
 不透明で変化の激しい経済社会においては、まずリーダーが自ら動くことで周囲を巻き込んで、惹きつけて、組織全体が自発的に動くようにしていくことが必要。
 リーダーシップは結果であって目的ではない。追い詰められたときにどう対処するかが重要。人間のキャパシティに大きな違いはなく、挑戦し続けられるかどうかが分かれ目。「Skill」ではなく「Will」の問題なのである。

Top