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人間力養成講座 第4回講義を開催しました

開催日:2007年7月24日

場所:リーガロイヤルNCB「月」の間(中之島センタービル3階)

テーマ:次代を担うリーダー像~リーダーの役割~

講師:ダイキン工業 井上 礼之 会長兼CEO

講話内容

■多様性の時代
 グローバリゼーション、少子高齢化、知価社会、環境問題など、近年社会環境は急速に変化しており、その中ではイノベーションなくしては企業経営で勝ち残っていけない。
 こうした環境変化をブレークするカギは、「多様性」にあると考える。最近「ダイバーシティ・マネジメント」がよく言われるが、個々人の持つ特徴、違いを戦略的に活用し、競争力をいかに高めていくかが、企業の生き残りを左右する。年齢や国籍、性別などの多様性により生み出せる企業価値を強く求めたほうが、他社との違いを明確にできる。多様性を是とし、それをリーダーシップでマネジメントしていくことが重要。
 次代を担うリーダー像と求められる役割を以下で述べる。

■次代を担うリーダーに求められる資質・役割
(1)ビジョンを示す~組織の「行く先」を示す
 情熱を持ってビジョンを語り、夢と志で組織を引っ張っていくこと。論理の力だけで押し切ろうとしても、人は動かない。これからのリーダーシップにはノンロジカルの世界も重要。
(2)戦略の立案能力
 夢を語るだけではなく、夢と現実とのギャップを知り、それを埋めるための戦略を構築する。重要な点として、「現場を直視すること」、「現場感覚に基づいた直感に賭ける勇気」、「走りながら戦略を練り直す柔軟な企業体質」などがある。
(3)適材適所の組織作り
 適材適所に人を配置する組織作りが必要。リーダーには人を見る目が求められる。欠点探しではなく、人の能力や可能性を信じる性善説に則ることで、人の能力が発揮される。
(4)独自の企業文化の伝承
 醸成されてきた慣行、価値観、暗黙知などから、独自の企業文化をつくり、伝承していくこともリーダーの重要な役割。
(5)率先垂範して周囲を動かす
 リーダーは周囲を動かすために、自らが率先垂範してまず動くこと。決断して最初の一歩を踏み出すことで、周りの迷いを吹っ切ることができる。
 リーダーとしての自分を形成するためには、自然に親しみ、美しいものを美しいと感じる心を育むこと。その上で、自分の信念をどう構築し、その姿を見て人がどう思うかが重要。自分の地位は自分では作れない。人が選んでくれるのである。

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