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人間力養成講座 第4回講義を開催しました

開催日:2008年7月29日

場所:関西経済同友会 会議室(中之島センタービル 28階)

テーマ:「グローバル時代の企業経営」~日本企業の経営課題~

講師:井上礼之 ダイキン工業 会長兼CEO

講話内容

◆多様性のマネジメント
 グローバル化の加速により、企業の組織の多様化が進む中、IBMやGEなど米国の先進的企業では、多様な人材を生かす戦略としてダイバーシティ・マネジメントを重要な経営戦略に位置づけている。多様化した組織の運営で大事なことは、尖った人、異質な人、出る杭は認めるということである。しかし、そのような組織は放っておくとバラバラになってしまう。そのため、当社では色々と工夫を凝らしているが、重要だと思うのは、リーダーが経営理念を浸透させ組織を引っ張っていくこと。また、品質基準や生産技術、商品開発、基盤技術開発等のノウハウの確立と共有化に皆で取り組むことや、異なる価値観を持つ人間とのFace to Faceのコミュニケーション力を含めたリーダーシップが大事。これらにより組織を一つの方向に導いていくことができる。多様な人材、強い個でチームを編成していくことが、グローバル競争を勝ち抜く条件である。

◆これからのリーダーの役割・資質
 1点目は社員にビジョンを示し、夢を与えること。2点目は、夢・ビジョンと現実とのギャップから課題を設定し、現場発の戦略を立てること。走りながら変化に応じて戦略を変えていく柔軟性を伴った「実行」が大事。現場感覚に裏打ちされた直感を信じ、それに賭ける勇気を持つこと。3点目は人を見る眼。人を選び、その人の可能性を信じて思い切って任せる。4点目は、社員がこの会社で働き続けたいと思える職場環境を築くこと。最後は、自ら率先垂範し、周囲を動かし、組織全体を動かしていくこと。
 グローバル時代の幹部リーダーに求めたいことは、自分の考えを構築し発信する能力を持ち、好奇心に溢れ、視野を広く持って課題設定力を養うこと。日本人としてのアイデンティティを持って意識的に自我を前面に出すこと。人脈を築くコミュニケーション能力、ネットワーク力、チャレンジ精神を持つこと。明るくナイスな人間であること。人を惹きつける「人間力」の勝負である。

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