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人間力養成講座 第4回講義を開催しました

開催日:2009年8月04日

場所:関西経済同友会 会議室(中之島センタービル 28階)

テーマ:「変革期のリーダーシップのあり方」
~激動期の経営の舵取り~

講師:井上礼之 ダイキン工業 会長兼CEO

講話内容

◆変革期における経営トップの役割
 経営者に必要な役割・資質は何かについて述べる。
 まずは、正解のないものに答えを出す決断力。不況や大きな変革期には、明確な答えがないからこそトップに決断が求められる。
 また、曖昧で漠然とした状況に耐えるタフさ、修羅場をくぐった経験や勘が重要。ロジックで合理的に判断できる問題なら他の人でもできる。先の見えない状況の中、組織として進むべき将来像を描き、行き先を示すことが求められる。経営トップはあまり理屈をこねてはダメ。私の経験からいうと、論理、ロジックの力で押し切ろうとすると、人は必ず面従腹背し、動かない。
 事を成すには戦略を立てることが大切で、私が大事と思っていることを3点申し上げる。1点目は、過去の成功体験を否定すること。過去の成功体験に縛られるとチャンスを?めない。戦略とは捨てることで、何をするかよりも、何をしないかを決めることが重要。創造的破壊を繰り返すことが企業の進化につながる。2点目は、現場不在の戦略は机上の空論だということ。現場に出て、現物を見て、現実を知る。自分の目で見て、耳で聞いて、肌で感じた現場感覚に、洞察力を加えて戦略を立てるべき。3点目は、不透明な時代には走りながら戦略を立てることが必要。決断を下すのに時間がかかり過ぎると、戦略ができた頃には、世の中の方が変わっていたりする。決断した本人が現場に入り、変化に応じて方向修正するといった柔軟性を伴った実行力が重要。
 リーダーシップは、その人の持っている感受性と関係があるように感じる。美しいものを見聞きし、心温まる話を聞いて、自ら素直に感動する感受性がなければ、周りはついてこず、リーダーとして成功しない。リーダーとは自ら引っ張るというよりも、周りの人達がその人を引き立てて、リーダーとしての仕事をさせるものだ。

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