過去の活動

人間力養成講座 第4回講義を開催しました

開催日:2010年7月13日

場所:関西経済同友会 会議室(中之島センタービル 28階)

テーマ:「変革期のリーダーシップ」
~ミドルマネジメントの要件~

講師:井上礼之 ダイキン工業 会長兼CEO

講話内容

■今の時代をどう読むか
 現在、我々は変化の真っ只中にいる。これまで世界経済を牽引してきたアメリカに代わり、中国などの新興国が世界経済を下支えする構図になっている。これからの日本企業は新興国の開拓に活路を見い出す以外に道はない。企業が経営のグローバル化を進めるカギは、多様性の重視にある。顧客の嗜好の多様化に合わせ、多品種少量生産で、品質を担保し、且つ利益を生み出せる競争優位を確保しなければ、生き残ることは出来ない。このような多様性の時代には、文化・宗教・人種など、多様化する組織を束ねるダイバーシティ・マネジメントが求められる。多様な個性でチームを編成していくことがグローバル時代の企業競争を勝ち抜く必要条件。異質なものを組み込むことで組織が活性化する。

■リーダーに求められる要件
 リーダーに求められる要件の1点目は、「イノベーターであること」。時代の先を見据えることが必要。2点目は、「ウォームハートとクールヘッドを兼ね備えること」。企業の夢やビジョンを形に変えるためには、熱い思いと温かい心だけではなく、現実を直視する冷徹な頭脳、クールヘッドが必要。現場に出て、自分の目で見て、耳で聞いて、肌で感じて、自社の立ち位置を確認するべき。3点目は、「チャレンジ精神を持つこと」。リーダーは安定を求めるのではなく、組織に刺激を与え続けなければならない。4点目は、「空気を読まないこと」。組織には、敢えて空気を読まない(KY)人間が必要。企業の活力は、尖ったもの同士が切磋琢磨することから生まれる。5点目は、「最初の一歩を踏み出し、率先して実行すること」。リーダーは、最初の一歩を踏み出し、周囲の人を動かし、組織を動かすことが必要。人はリーダーになろうとしてリーダーになるのではなく、自分の志、信念、夢、熱い思いを実現しようとして試行錯誤をする中で、自然と周囲がリーダーとして認めるようになる。これはスキルの問題ではなく、ウィル(意志)の問題である。

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