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人間力養成講座 第5回講義を開催しました

開催日:2011年8月02日

場所:梅田センタービル16階 E会議室

テーマ:「変革期のリーダーシップ」
~永続企業の組織マネジメント~

講師:井上礼之 ダイキン工業 会長兼CEO

講話内容

◆遠心力と求心力の組織マネジメント
 平時には、現場に権限移譲し、求心力に軸足を置いた分権型の経営をし、有事には、現場から権限を剥奪し、遠心力に軸足を置いた集権型の経営をする、といった柔構造な組織運営を行うことが必要である。

◆企業の永続的発展に求められるトップ経営者の資質
 ①「決断力」。不確実性が拡大した現代は答えのないものに答えを出していかねばならない。組織としてどこを目指せばよいのか、また、コンペティターに負けないように、組織の進むべき方向を決断し実行するのが、経営トップの役割。
 ②「情報力」。部分最適の視点の虫の眼、全体最適の視点の鳥の眼、時間軸の視点で潮目の変化を感じる魚の眼の3つを兼ね備えることが必要。
 ③「人に束ねる能力」。ある事業目的に向かって、集団としての人間を有機的に結合して、機能させることで初めて経営が成り立つのであり、1人1人の社員の力が、集団として同じ方向を向いたとき、組織は、とてつもない力を発揮する。
 ④「コミュニケーション能力」。技術開発の失敗よりも、人間同士のコミュニケーションの失敗の方が、会社の体質にはマイナスになってくる。
 ⑤「率先垂範」。先行きが不透明で、不確実な時代にあって、最初に一歩を踏み出し、周りの人の迷いを吹っ切ってあげることがトップに立つ人の重要な役割である。人はリーダーになろうとしてリーダーになるのではなくて、熱い思いを実現しようとして、試行錯誤を続ける中で、周りの人々がリーダーとして認めるようになるという要素が案外大きいということを、ぜひ覚えていただきたい。リーダーシップは結果であって目的ではない。とことん追い詰められて、どう対処するかが勝負の別れ目だということも言える。人間の能力に大きな違いはないが、挑戦し続けられるかどうかで違いが出てくると思う。そして、そこを乗り越えた人がリーダーになっていくんだという気がする。これはスキルの問題ではなくウィル(意志)の問題である。

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