過去の活動

第1回談論風発講座を9月4日に開催いたしました

開催日:2002年9月04日

講師:寺田千代乃   アートコーポレーション 社長
井上 義國   ダイキン工業 顧問
國定 浩一   大和銀総合研究所 社長

寺田塾長講話

アートコーポレーションが、バブル崩壊後の10年の間に取組んで来たこと、こうありたいと考えていることをお話して、塾生の皆さんの参考にしていただければと思います。

○皆の気持ちが一つにならなければ目標は達成できない
 バブル崩壊後の影響を受け業績が落ち込んだとき、全社で「TAKE ACTION」という造語をつくって、社長から支店長まで管理職全員が、営業マンとペアを組んで営業にまわった。これによって、末端の社員がトップ達と一緒になってやろうという気持ちになり、3年間達成できなかった300億円の売上目標を達成することができた。
 大きな目標を達成しようという時には、全社一丸になるという仕掛が必要。優秀な人は、会社がやろうと決めたことに対して、批判だけして出来ない理由をだすのが上手だが、それでは改革はできない。また、1人の力だけでは駄目。皆をその気にさせる必要がある。

○頑張った人が報われる会社作り
 同じ時期に、支店の利益目標達成した場合は、支店に対して利益還元金を支払うという制度を導入した。多い支店長は半期100万円。支店員への支給は、支店長が査定。これによって、利益確保に対する姿勢が大きく変わった。
 インセンティブだけを目標にするのでは駄目だが、頑張った人も頑張らなかった人も同じでは、やる気がおこらない。自分自身の夢と、会社の夢を共有して、そのために頑張った結果が、結果として自分の利益につながることは必要。

○自分自身の自己革新が企業革新へ-それを支える経営者の役割-
 皆の自己革新が企業革新につながる。そのような気を起こさせるように持っていくのが経営者の役割。優秀で、やる気を持った人達(ここにいる塾生達)が、実力を発揮できるようにもっていくのは、会社の経営者の大きな役割。アートをそのような会社にしたいと考えています。

以 上

井上義國講師講話

井上義國経済界特別講師には、「地方分権と財政改革」というテーマで、問題提起となるご講話をいただいた。
以下要旨。

財政改革を行うには、その前提として構造改革が必要不可欠であり、構造改革の中でも、中央集権体制を打破し、地方分権を実現することが最も重要である。
これまで地方財政の大部分は国の補助金と地方交付税で賄われてきたため、公共投資についても住民の受益と負担の関係がはっきりせず、それが「たかり」の構造を生んだ。
これに対しヨーロッパでは、住民自身でできないことを地方自治体や国にやってもらい、そのコストを住民が地方税、国税で負担するという「補完性の原理」が働いている。
受け皿となる地方もしっかりしなければならない。そのためには市町村合併の推進とともに、フランスのような広域共同体制を導入し、住民が選択できるフレキシブルな制度にすべきだ。
関西においても、府県の役割を再考するとともに、中央集権型ではない道州制の導入を検討する必要がある。
国から地方に権限と財源が移管されたあかつきには、税制をはじめとして各種の制度をどのようにすれば関西が発展するのか、という関西モデルを発信することにより、関西から改革のうねりを巻き起こそうではないか。

以 上

國定浩一講師講話

今の日本にとって大事なのは、「構造改革」ではなく「景気回復」を優先させることであるとお話しいただいた。
以下要旨。

「構造改革と経済再生」について語ると、「今、大事なのは日本経済である」ということに尽きる。
今日の小泉首相が抱える非常に大きな問題は「景気回復」の問題である。小泉内閣発足以来から、私は小泉内閣に対し否定的な見方をしていたが、今もますますその見方が強まってきている。どういうことかというと、今、重要なのは「構造改革」ではなく「景気回復」だと言うことである。
「構造改革」「財政改革」「景気回復」は三者択一のように見えるが、三者択一ではない。順序の三択である。つまり、「構造改革」が必要ないと言っているのではなくて、「構造改革は後で」、あるいは、「景気回復と同時にやれることをやっていく」ということだ。
なぜなら、「構造改革」をやったからといって、2年ほど経てば景気が良くなるということは絶対にない。その間、国民に死ぬような思いをさせなければならない。
一直線に下がり続ける株価の現状は、マーケットが小泉内閣を評価していないということに他ならない。マーケットというのは、邪心も何もなく、ある意味冷徹である。

以 上

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