過去の活動

談論風発講座 「行財政改革G」第1回講義を開催しました

開催日:2004年9月07日

テーマ:「インターネット社会で一番必要なこと」

講師:平岡龍人 清風明育社 理事長

講話内容

●世界の問題は宗教を抜きには考えられない
ユダヤ教やキリスト教から生まれた「契約」・「所有」・「隣人」といった概念を日本人は理解していません。しかし、これらの概念が、欧米の社会の根底にあります。したがって、我々がこれから地方の問題を考える、あるいは世界の問題を考える時に、この宗教の考えを考えずに、というのはありえないのです。

●宗教が持つ連帯感
宗教の持っている共通点は、いい悪いに関わらず連帯感を生むことです。そして、この連帯感はアメリカや欧米が進めてきた個人主義を補完するシステムなのです。一人が生きていくためには背後に膨大な人の支えがあるわけですが、個人主義の子供たちはその膨大な人たちを意識しません。宗教が、みんなに支えられていること、そして感謝すること、そういう連帯感を生むということは非常に重要なことで、アメリカのような豊かで資本主義で自由主義の社会でも、そのバックグラウンドに実は綿々たる連帯感があるわけです。

●インターネットが入って答えのない時代に突入
さらに、今はインターネットが社会に入ってきて、従前の常識と違うことが次々と起こる、答えの無い時代に入ったのです。答えの無い時代では、従前の常識に基づいて判断できないのですから、判断のしようがありません。ところが、お役所は前例という解答によって判断する訓練ばかりしていたため対応できないのです。地方分権についてもいろいろな改革をやっていますが、実態を見ると、中央も抵抗しているし、地方はますます抵抗している、という訳の分からない混乱が起こっている状態です。それは前例のないことに取り組んでいるからです。

●地方分権について
なぜ地方分権が必要なのか、というと、豊かな社会の中では経済的・精神的刺激をより自由な形でしないと、社会は活性化しない、からです。より自由な環境を作らないと、もうみんな働かない、働かなくても食べていけるという状況なので、従来通りでよいわけです。
地方の分権とか行政改革といった問題では、従前の発想で対応するのではなく、より自由に、より新しい挑戦ができる、という環境を作ることが非常に重要だと思います。だから、中央から地方ではなくて、役所の権限をどんどん民間に開放していくということをやらない限り、三権分立はうまくいかないのではないかと思います。

以上

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