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談論風発講座「安全保障グループ」第1回講義を開催しました

開催日:2006年9月06日

場所:中之島センタービル28階 関西経済同友会会議室

テーマ:「安全保障 ~日米軍事同盟が日本を護る~」

講師:田中克彦 ソリッドコンタクツ 会長

講話内容

◆はじめに
 最近の中国脅威論の台頭や北朝鮮のミサイル発射実験をみると、いくら平和を叫んでみてもそれだけでは手に入らないという国際常識が分かってきた。我々は、自分の国を自らの手で護ることの大切さを、国民的関心のレベルまで上げていくことが重要である。隣国の中国はいまや経済大国であり、それだけではなく軍事力も強化されて、わが国に対する脅威も大きくなってきている。

◆米国の中国に対する見方
 米国は、2006年のQDR(米国の4年周期の戦力見直し)において、中国を「従来型の軍事的優位を相殺する妨害型の軍事技術を展開できる最大の潜在力を有する国」と規定し、はっきりと脅威と位置付けている。
 ソ連の脅威が消えた冷戦後も、米国が中国を意識し、将来米国の覇権に挑戦する可能性のある国として前方展開戦力を維持するとしているのは、特筆すべき事柄だ。

◆脅威にどう対抗していくか ~新しい日米同盟へ~
 地域大国を目指す中国は、軍事力を強化して戦略的に境界を拡大しようとしている。度重なる領域侵犯等、わが国に対しても普通ではない事態が続いている。しかしこれら日本周辺に新しく起きている脅威に対し、自力で対抗することは困難であり、今の憲法と片務条約である日米安全保障条約では有効な対応策はない。
 中国が日米共通の脅威になりつつある今、日本は自前の軍事戦略を持たねばならない。片務条約である日米安全保障条約から脱して、対等の義務を背負った日米軍事同盟へと変化させなければ安全保障における日本の主体性はない。
 日本はこれまで今の憲法で、軍事力の行使をしないというだけではなく相応の戦力を有する自衛隊の存在も曖昧にしてきた。これだけの戦力を持って、自分の国を護ることについて何もできない、という点で世界からも非常に不思議な国と見られている。お座なりにしてきたこれらの問題を真剣に腹を据えて考え、国民的関心のレベルにまで引き上げるべき。有効な軍事力を保有しそれを管理することに日本人は自信を持つべきであろう。

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