過去の活動

談論風発講座「安全保障グループ」第1回講義を開催しました

開催日:2007年9月10日

場所:関西経済同友会会議室(中之島センタービル28階)

テーマ:「私と安全保障」

講師:インターアクトジャパン 帯野久美子 代表取締役

講話内容

■安全保障委員会への参加
 私が関西経済同友会の安全保障委員会に入ったのは、95年のこと。日本はバブル最盛期で、エコノミックアニマルと評された頃だった。私は、日本は世界で悪いことをしてきたと教えられた世代であり、海外では何か引け目を感じていた。海外で仕事をする人間として、勉強するなら基本的な問題を、との思いから安全保障委員会に入った。

■台湾問題と日米同盟の重要性
 96年、台湾の総統選挙で李登輝が優勢という状況になった時、中国が威嚇のため台湾海峡にミサイルを撃ち込んだ。中国は、この頃から2桁の軍事費拡張を続けている。日本はもう少し危機意識を持った方がいい。
 この台湾危機の時、李登輝が総統に当選。00年、民進党の陳水扁が総統になり、04年にも再選を果たしたが、その後の立法院選挙で民進党は惨敗し、台湾の空気が一変した。05年に登場した国民党の馬英九は、圧倒的な人気を誇っている。来年の総統選挙はどうなるだろうか。国民党が勝てば、この時しかないと中国が台湾を併合しようとする可能性もある。
 今の日中関係を、キューバ危機になぞらえる人がいる。当時危機は回避されたが、それ以後皆が何となく安心している間に、70年代にソ連は着々と軍備を拡張し、79年にアフガン侵攻が起こった。96年の台湾危機は忘れられがちであるが、アジアの問題は間違いなく台湾が火種である。
 そしてそんな中、考えなければならないのはやはり日米同盟。もっと自主的に行動すべきだ、と日米同盟に反対を唱える人がいるが、そんな人に限って感情的で、対案を持っていない。現状においては、いくつかの選択肢のうち、日米同盟が一番現実的な選択である。

■サイバー適塾の塾生へ
 サイバー適塾の創始者、NTT西日本の浅田社長は、亡くなる直前まで、「若い時代が大事、とがった人間を育てる」とサイバー適塾の使命に強い思いを持っておられた。経済人としても、人間としてもすごいと思う。浅田さんをはじめとする先人の気持ちを忘れずに、皆さんには、しっかり考え、議論し、自分の意見を持ち、そして国際社会で自分の主張ができる、そんな人間になってもらいたい。

Top