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談論風発講座「行財政改革グループ」第1回講義を開催しました

開催日:2007年9月19日

場所:中之島センタービル28階 関西経済同友会会議室

テーマ:松下幸之助と企業の社会的責任

講師:松下電器産業 松下正幸 副会長

講話内容

■松下幸之助の経営理念
 松下電器は来年創業90周年を迎えるが、創業時から、事業を通じて社会に貢献することを経営理念としており、企業の社会的責任、いわゆるCSRの精神を培ってきた。創業者である松下幸之助は、CSRという言葉がまだ存在しなかった時代から「企業は社会の公器」ということを、よく語っていた。

■幸之助との思い出、学んだこと
 創業者は、ここぞという時の勘が非常に冴えていたと言われるが、好奇心が強く、いろいろな人から知識を吸収するといった、その積み重ねが、経営判断をしていく上で、裾野が広く、しかも深い土壌として役立ったのだと思う。そして聞き上手であった。
 私が会社に入って1つの部門を任されてから、年に数回、創業者に対してまとまった報告をしに行ったが、この時も質問攻めにされた。うまく説明出来なかった時も叱責されない。ただ、次に行った時に必ず同じ質問をされた。創業者は、経営は教えて分かるものではなく、自ら苦労し、失敗しながら体得していくものだと考えていた。だから、細かな指示はないし、叱責の言葉もない。自分で気づけよという考え方が根底にあった。

■企業の社会的責任とは何か
 「企業の社会責任とは何か?」という、松下幸之助が執筆した本の中に、天下の人、天下の金、天下の土地、天下の物資を使って仕事をしている公器としての企業が、その活動から何らのプラスも生み出さず、何ら社会に貢献しないとすれば、これは許されない罪悪であると言い切っている。
 締めくくりとして、幸之助の考える、企業の社会的責任に関する三原則をご紹介しておく。
 ①企業の本来の事業を通じて、社会生活の向上、人々の幸せに貢献していくこと。
 ②その事業活動から適正な利益を生み出し、それをいろいろな形で国家社会に還元していくこと。
 ③そうした企業の活動の過程が、社会と調和したものでなければならないこと。
 松下電器は、企業は社会の公器との経営理念の下に、幸之助の残した三原則を心に刻み、今後も引き続き環境変化や時代に即した形で、社会のお役に立っていきたい。

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