談論風発講座を12月5日に開催いたしました

井手正敬講師講話
バブル崩壊以降、現在までの10年間は、よく「失われた10年」といわれているが、戦後一貫してやってきた社会経済のしくみが制度疲労を起こしているからである。わが国の財政は、国鉄改革前夜の国鉄の財政状態に酷似し、国・地方あわせて711兆円の長期債務残高であり、国難ともいえる危機的状況である。このような状況を打破するためには、思い切って構造改革するしかない。
国鉄改革は、戦後最大規模の国の行政改革であり、学ぶべきところは多い。国鉄改革の成果は、自主自立の経営、地域密着型の経営、機動的な経営の三つに集約できる。これらはそれぞれ「官から民へ」「地方分権」「規制緩和」という現在の国の構造改革の流れに通じることである。
したがって、国鉄改革が成功したとするなら、国の構造改革も、「官から民へ」「地方分権」「規制緩和」の三つが実行できれば、国鉄改革同様に必ずや成功するだろう。
わが国が再生し、21世紀の世界をリードしていくためには、国民一人ひとりが改革の痛みを恐れず、未知の領域に積極的に挑戦し、構造改革を断行していくことが必要不可欠である。