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談論風発講座<後半>第1回講義を開催

開催日:2013年12月03日

テーマ:グループA 「関西の活性化と観光産業」
グループB 「企業の競争力~知的生産性と先進的な価値創造~」

講師:グループA 山下 和彦 大阪国際会議場社長
グループB 金田 嘉行 ソニー顧問

山下和彦 講師講話

◆21世紀は右脳を大切にする必要がある
 渡り鳥など動物達は、遠く離れた目的地に間違いなく到達する。昔々の人間にもこのような動物の本能的センサーがあったのだろうが、今ではすっかり枯れ果ててしまった。もう少し右脳に軸足をかけて動くようにすれば、本能的センサーも多少は蘇り、「方向一般はこうだ」というようになるかもしれない。

◆観光産業のポテンシャル
 観光にまつわる産業規模は、2005年頃のIT産業と同額の75兆円と見ている。IT産業はそれが実現する可能性を秘めているが、観光産業の方は55兆円の期待値含みである。55兆円の成長期待性のある産業などどこにもないわけで、1番伸び率の高いところにシフトしていくというのは方向一般にかなっている。

◆まず、実際にやってみることが大事
 関西は観光資源に富んでいるのだから、リーダーになってメニュー開発などをやっていくべきだ。素晴らしい四季に恵まれた日本の自然は大変な魅力になる。
 観光産業や右脳寄りの話は、何かとやってみることが大事である。しっかりと方向一般を決めて、仕掛けを考え、具体的アクションに移す。もう、祝詞の時代は終わった。今は、そういう時代である。

金田嘉行 講師講話

◆はじめに
経済を活性化しようと長い間言われ続けてきた。最近一部では循環的な消費需要で景気が少し良くなっているが、本質的には日本経済は構造的な問題の改善がまだまだ必要である。その一つは、国際競争力の低下である。

◆今こそ必要な企業自身の競争力再生金田講師
日本全体の高コスト構造、政治、行政の制度疲労など問題は多いが、まず、個々の企業がコストミニマム、パフォーマンスのアウトプットを最大にする努力が必要である。それには、知的生産性を高めることである。
中でも、経営幹部の速い意思決定が必要になる。ITを大いに活用し、聞く耳、教わる心をもって自らを磨き、社員をリードしなくてはならない。

◆価値創造戦略
日本の強みを生かした価値創造が次の成長のシナリオである。時間の価値や、心や感性に触れる感動や、安らぎへのサービスやコンテンツには、多少高くてもお客様は納得してお金を費やすだろう。新たな価値を創造していくには技術革新が必要である。高精密など深層鉱脈や異分野の融合から価値を創り出し、それをブラックボックス化して抜群の先進性を保つようにしたい。

◆ビジネス戦略と技術の進歩、進化
これからの経営者やリーダーは、専門家でなくても技術のコンセプトやトレンドを理解する努力が必要だ。技術の進歩や進化と市場の動向を俯瞰しながらビジネス戦略を立てることが不可欠となる。

◆実現への経営課題
まず、事業分野や研究開発の選択と集中によりコアを強化し、一方で他社や大学との連携を図ることである。

また、日本には桃栗三年、柿八年という諺がある。ITやソフトウエアは進歩し、有効に使える時代になった。スピードが競争の鍵ゆえに速成栽培も望まれる。桃栗二年、柿五年位を目指し、組織の求心力を高め、英知を結集してチャレンジしてほしい。

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